「旅」のわけ ~自問自答~


まずはじめに、自分が「旅」をする事に大きな理由は存在しないと思う・・・・。
いまだだに今回の自転車世界一周テーマを探しているが・・・・・見つからない。

今までの人生、環境に恵まれ、家族・友人・ご縁があった方々に甘えながら、好き勝手に今日までやってきました。

28歳になり、「好きなことはやりつくしただろう!世のため人のために社会人として腰を据えて働かなきゃ!」
・・・・・とその後の目標を立て・進んでいたのだが、なかなか思うようにうまくいかなかった。
そりゃそうだ。東京はそんなに甘くないっす。ガマンが必然的に付いてくる毎日です。皆東京人はこれを必然的に受け入れながらも、家族のため、自分の目標のため、生活のために日々を一生懸命生きてるね。
立派に日々を過ごしている人を見ながらも、自分は社会と向き合いながらの「自分らしい生き方」を望んでいるのね。
そんな虫のいい話は聞いたこともないし、そんな事ばっか考えているから、30歳になってもまだまだ腰が座らない生活をすごしてるんですが・・・・。これから年を重ねるにつれ、世間はこんな考えをする私を相手にしなくなっていくのかな~。少し怖いね。

それでも「自分らしい生き方」っつーのは何なのかが知りたいね。
生き方は自分で決めるもので、待っていて見つかるもんじゃない気もするしな。
自分で決めた生き方が、「自分らしい生き方」になっていくのかな?

心「じゃー、世に貢献するしないを抜きにして、自分がどのように生きたいの?」
・・・・どのように生きたい???。好きな事は、人・旅・ごはん・音楽・自然・女の子・動く・日中・健康・阿佐ヶ谷・母ちゃん・過去より未来・・・などなど、自分が好きと思われる事を挙げてみた。

心「好きな事は分かった。じゃー、何がしたいの??」
・・・・・・旅をしたい。まだ行ってない場所に行ってみたい。結婚して子供作って幸せな家庭も作りたいなぁ~。自然と共に日々を過ごせる場所をみつけたいなー。飲食店しながらかなー。何料理やろうかなー。ランチはやりたいなー。夜は毎日眠りたいなぁー。母ちゃんに恩返ししなきゃなー

かんがえまぁ~~~す
心「たくさんあるね君。でも器用じゃないから一つにしなさい。」
・・・・・・そうですね。「今しか出来ない事」を優先してやりたいけど、「今しか出来ない事」ってのは、今の年齢になって、今までの経験があって、やりたい事があって、現状があって、決まってくるのかな?
同じ30歳でも十人十色の人生で、出来ることはそれぞれ異なるんだろうね。
こう考えると、社会人でない違う生き方も悪いことじゃない気がしてくる。
ただ、「やりたい事が出来る今の環境」に甘えるんじゃなくて、あせらず・着実に・誠実に一歩一歩を踏みしめて生きていかなきゃね。
 そこで、おれの「今しか出来ない事」は・・・・・自転車世界一周かな。
結婚はご縁あってのものだし、飲食店経営は自分が自然と共に過ごせる場所を見つけた後の話、母ちゃんへの恩返しは・・・自立が一番の恩返しみたいだけど、でもでも、もうちょいまってね。
自転車世界一周は今までの旅の経験があり、いままでと違う形の無謀な旅への挑戦心があり、現状は母ちゃんに心配をかけるが、逆をとると他に気にかける人がいないので、母ちゃんすまん、ありがとう、もうちょい好きなようにさせてください。・・・・・こんなところで、いいかな??

心「・・・・それ今じゃなきゃいけないの?」
・・・・・・そんな事はない。
いままでの旅で出会ったパワフルな60歳越え旅行者の中には、フランスからベトナムへ自転車旅、スペインの巡礼路徒歩で1000km、定年後にラオスで初の海外バックパッカー。
こういう人に会う度に、「年齢より気力が上回ればなんでも出来ちゃうんだな」と感じていた。
人の気力って興味のある方に向くし、興味があるから沸いてくるでしょ??今の興味は「自転車世界一周」。
しかも現状、経験、などの「条件」を考えても、「今」動くことは不可能じゃない、可能だ。
この「条件」はいつでも揃ってるもんじゃない。今後この「条件」が揃うかどうかはわからない。 30歳で条件が揃う人がいれば、60歳を過ぎて揃う人もいる。俺は前者だと考え、この「条件」が揃っている「今」を大事にしたいな。

心「なかなか頑固だね。じゃあ、東北被災者への支援は止めて旅行するの?」 
・・・・・彼女と別れ・築地退職が3月末で決まり「俺には自転車旅行しかないぜ!」 という時に、大震災がやってきました。
震災後は何かをしたい衝動で、現地ボランティアを続けています。
この大震災は全日本国民の自然災害への認識の甘さを一掃させるほどの影響力があると感じています。
被災者の方々はもちろん、地震の被害を受けていない場所でも、津波の恐ろしさ、自然の驚異に対し、人間一人一人何が出来るのか考えさせられます。
2011・4月 宮城県石巻
そして、震災2ヶ月半後の被災地の現状は、うまくボランティアが入り少しづつ復興している場所、未だにボランティアセンターがうまく機能せず、被災者の方々が「ボランティア」の存在を知らないばかりに、ボランティアの要請が被災者からこない場所 、未だに手付かずの場所・・・・場所によりさまざまです。
2ヵ月現地ボランティアをする中で、ふと「自転車旅をする前に復興支援がやるべき事なんじゃないか?」と、頭をよぎります。
この震災は規模が大きすぎて、人間一人の力でどうにかなる問題じゃありません。でも、人間一人一人の力がないと何も前進しません。
一人の力は震災の被害に比べると、かなり小さいもので、泥カキなどをしていると、たまに「俺一人に出来る事」に対し無力感を味わう事があります。
だからこそ、一人でも現地で活動できる人はなるべく活動をして、一人一人をおっきな人数にして、一人一人の力でドロをかいていくしかない気がします。
俺はその一人です。いつになれば復興するのかなんて誰にもわからないし、この先、被災者の方々が震災前と同じ生活を過ごせるとも考えられません。
それでも、被害にあった家のドロを出し、きれいにしてまたその家に住もうとしている被災者の前向きな姿勢に対し、今は現地活動をしながら、誠実に、着実に、一歩づつ、向きあってゆきたいです。
宮城人の前向きな強さ・被災されてもボランティアを持て成す温かさに感銘しています。
今後、出発予定までは1ヶ月あります。この中でボランティア中心に動き、旅をしながら東北に出来る事を考えていきます。
自分にとっての東北ボランティアは、被災地での現地活動が、自分にできる唯一の事に思えます。しかし、自転車世界一周を目指してきた1年半を無駄にしたくないし、前述べた「条件」が揃ってる「今」と自分の「やりたい事」を優先に考えたいと思います。 何らかの形で東北と繋がっていくように動いていく次第です。
2011・5・30(月)

心「君だいぶ自分勝手だね。自分ばっかやん。」
いつでも自分勝手な野郎です。よろしくぅ~。
・・・・・・ですね。・・・・何も言えないっす。・・・・・・。
んでも、自分を大事にできないと、周りの人も大事にできないかな・・・。
んな事を考えながらも、結局自分優先になっちゃうのが情けないかな。
・・・・・今の俺には「やりたい事」を真正面から、ゆっくりと、誠実に、一歩一歩進んでいくのが、今、唯一「出来る事」だと思います。

この環境全てに感謝をして、思う存分毎日を精一杯生きてゆきたいです。
・・・・・だめっすか???

2011・6・6(月)