2012/02/06 広西チワン自治区・ピンシャンーベトナム・ハノイ ”ベトナム…”

起床!太陽の光が町中の道路を乾かしています!いい天気!
さあ、ベトナムに向けて出発!
国境までは15キロと近いが、最後のアップダウンが続く。「おおおお!ベトナムぅぅぅぅぅう!!」
天気良し!アップダウンもなんのその!…あっついです!温度は20度近くあります。
上着は当分いらなそうです。脱いで後ろの荷台にくくり付けて、えっちらほっちら国境に到着!。両替商が詰め寄ってくるが、また中国には戻ってくるので中国元はそのまま。
…何事も無くスムーズに中国出国・ベトナム入国手続きを終え、2カ国目のベトナムです。 ベトナム滞在は2月20日までです。さあさあ、どんな15日間になりますかな。


…ベトナムは快晴。道はしっかり整備されています。まずは国境近くの町”ランソン”に到着。
「んん~…文字を読んでも、まったく何のことやらわかりませんな…。」簡単に調べてきたベトナム語を見せながら、まずは銀行で1万円分を引き落とし。よし!ゴハン!。
さて…メニューはまったくわかりませんので、チキンの絵を指し、出てきたのは白米・蒸し鶏?・菜の花炒め・酸ぬるぬるスープで60,000ドン…300円しない…中国よりは少し物価は高いのかな。
時間を見ると、まだ10時半??あれ??そっか時差があるのか…1時間早いですな。今日はこの町”ランソン”に宿泊する予定でしたが、あまりにも早いのでもうちょぃ先まで行く事にしましょう。
…国道に戻り出発!いや~しかし、天気が良いし、20度近くなので気持ちがよろしいですわ。
「ハロ~」「はろ~」…子供達は皆声をかけてきます。元気があっていいね!温かくなると、人も開放的になりますな。アップダウンダウンの整備された道が続く…国道表記は”ハノイ125キロ”。まだ12時…この調子なら、今日中にハノイにつけるかも…
「…滞在日数も少ないし天気・道路も結言う事なし!よっしゃ!今日は行けるとこまでいきましょー!」
岩山を横にしながら、なだらかな下りをぶっ飛ばす!田舎の道をハローの連続に励まされながら25キロ走り、一休み。「よし!あと25キロを4回戦だな!」
久しぶりに道を気にせずペダルに集中できます。体勢を低くして道路脇をひた走ります!
「えっほえっほ…すいすいぃ~下りぃ~きぃ~もちぃ~♪ふぅ~ふぅー♪」
疲れながらも軽快に進みます。上りは少し。

「おお!上り!ははは、相手にならんな…行くぜ!ほぉ~いほいはいほいはいほいはいほいほいほぉ……ぉふぐぅ!……ぐわぁああああぁぁ…・…。」
…右半身のいたる所が痛い!…「いだぁぁあい!事故ったぁぁぁぁああああ……。」
倒れる前の瞬間で真後ろからバイクに突っ込まれたとわかった…アスファルト道路の真ん中に倒れている…すぐに起き上がりドンキー号を路肩に非難。…パニックなのか、ぜぇーぜぇー息が切れっぱなし。右の膝・肘・腰回り数箇所の衣服が擦り切れて血が出てる…。アドレナリンのせいか、痛いが動ける。
回りにはたくさんのベトナム人が集まってきた。当事者のバイクは二人乗り若いお兄さん・後ろにおばさんだった。二人とも路肩の畑側に倒れたので大丈夫なようだ。…集まってきたベトナム人の言葉はまったくわからないが、皆病院へ行こうと促してくれているようだ…。
私は落ち着かなきゃと、息が落ち着くまでドンキー号を眺めながら頭の整理…しかし、ドンキー号の安否と体の痛みで頭はいっぱい…。
一人のグラサン兄さんが病院に行くぞと、バイクに誘導してくる…。しかし、荷物とドンキー号を丸々残して行けないとジェスチャーで説明すると、当事者のおばさんが現場に残って荷物を見ているからと…。痛みと興奮であまり考える余裕はなかった…。貴重品バックだけ持ち、グラサン兄さん・当事者のお兄さん・私の3人で近くの病院の直行した。
田んぼのまん中にある小さな病院に着いた。もう、言葉はわからないし身をまかせる。レントゲン撮ってもらったが、骨に異常はないみたい…。よかった…。グラサン兄さんと当事者兄さんは、事故現場に戻り荷物・自転車を持ってきてると言っているようだ。そのまま、二人はバイクで病院を後にした…。
治療が終わり少し動いてみると、深いこすり傷の痛みはあるが何処もしっかり動く。…お茶を頂き、少し落ち着いてきた。…この状態だと、グラサン兄さん・当事者兄さんを信用する他ない。…ドンキー号の安否・今後のこと…落ち着くと頭が働きだして、心配事でいっぱいになってしまった…。
先生に支払いを要求されて、サイフ(2つある内の1つ。現地のお金を入れているサイフ)上着に入れたまま脱いで、後ろの荷台にくくり付け状態で現場に置きっぱなしな事に気付く…。
心配事だらけで何も決断できないまま、グラサン兄さん・当事者2人が戻ってきた。驚くことに、グラサン兄さん1台のスクーターにドンキー号・全ての荷物を積んで運んできてくれた。
「荷物は全てあるな…こんな積み方して…ドンキー号大丈夫か!?。」当事者の兄さん・おばさんの怪我を伺うが、どうやら問題ないようだ。当事者兄さんは目にゴミが入って前が見えなかったと…おばさんは、私の具合をかなり気にかけてくれている…。私は大丈夫ですとジェスチャーで伝えていると、病院からグラサン兄さんが出てきて、「行こう。」と何処かに連れて行こうと促してくる。言葉がまったく伝わらないので、今日中にハノイに行く予定だったと説明していると、”ハノイ”だけは理解したのか、「ハノイ!バイク!ゴー!」…ハノイまでこのまま連れてってくれるのかな??と勝手な判断。
…よく分からないまま、当事者のバイクに3人乗りして、国道に戻る。「ここはどこだ?…ハノイまで後何キロなのかな…。」国道の標識は””ハノイ70キロ”。まだかなりの距離がある。すぐ近くの国道の宿に止まり、バイクで人が集まってきた。どうやらグラサン兄さんの友達のようだ。…当事者2人は先を急ぐのか、すみませんという表情を繰り返しながらもう行くと伝えてくる。…幸い重症ではないし荷物も全てありそうなので、そのまま”オーケーオーケー”と言い、当事者二人は去っていった…。
まずは気になってしょうがないドンキー号をバイクから下ろし、簡単にチェック。…ペダル付近から”カチッカチッ”という異音はするが、走るのには問題ない。…よかった…。何よりドンキー号が重症でなく、かなり安心した。
…さて、ここからどうするのか…。グラサン兄さんはなんとかハノイまでドンキー号と私を運ぶ手段を必死に探してくれている。…ワゴン車を止め、「これでハノイまで行ける!」と…一応値段を聞いてみると120US$…高すぎです。そんなに払うなら、この辺で一泊するよと言いたいが…伝わらないので”ノー!”の一言。グラサン兄さんは近くの工場のトラック兄さんにも聞いてくれていた。
トラック兄さんは、電話をかけ、はじめ私に渡してきた。「もしもし?」…日本語!どうやら知り合いの日本語を話せる女性と連絡を取ってくれたようだ。事故の事情はすでに理解していたので、運んでくれるのかどうか聞いてみると、グラサン兄さんは明日の夜にならないと車は出せないから宿で待っててと言っているようだ…。しかし…明日の夜は待てない。それなら、明日の朝に自力で行くと伝えると、トラック兄さんが友達に車を出すよう頼んでくれると。グラサン兄さんは安心したのか、笑顔で握手をして、そのまま去っていった…。
トラック兄さんは、”いくらなら出せるの?”と聞いてくるが…70キロ走ればハノイに着く。ドンキー号・私も動ける状態なので、大変だが無謀ではないと判断し、トラック兄さんの申し出をお断りをしようと電話の女性に伝えてもらう。…トラック兄さんは電話でやり取りし私に電話を渡す。
「…ハノイは遠いです。怪我もしています。今日の夜になれば、他のトラック仲間に頼んでハノイまで行けます。お金はいりません。」…しかし、どこまで信頼していいのかと、電話の女性へ正直に心情を伝えると、「大丈夫です。心配しないで待っていてください。」トラックお兄さんはとても穏やかな顔をした方…待ってこなかったら近くの宿に泊まろうと判断してトラックお兄さんを信用する事にした。
近くの売店に座りジュースをご馳走になった…。時間はすでに5時。事故から3時間があっという間に過ぎた…兄さんはトラックを洗ってくるから、ココで待っててと、携帯電話番号を残して去っていった。…ドンキー号が気になってしょうがないが、とりあえず座ってトラック兄さんを待つ。
…傷が…痛いいたい…落ち着くと痛みは増してきた…。不幸中の幸いで、事故の瞬間、車は走っていなかったので深いこすり傷だけですんだ…ドンキー号は動く…荷物は全て開けられた形跡はない…現場に置き忘れたカメラもある…。あつつつ…やっぱり痛いな…。売店の子供達がたくさん喋りかけてくれ、笑顔に救われる。この状態で子供の笑顔を見ると、とても安心してしまう。子供たちは、ゴハン?お菓子?などと商品を勧めてくる。いくら水を飲んでも喉が渇きっぱなしなので、ジュースをいただく。
「10000ドンだよ。」…上着のサイフを取り出しお金を払う…ん?ドンの小銭だけしかない…お金がなくなっている…。今朝銀行で下ろした1万円分のベトナムドンと残しておいた7000円分くらいの中国元がごっそり無くなっている…冷や汗……やられた…
一気に悲しみが押し寄せてきた…現場に残したサイフもカメラも、全ての荷物も開けられた形跡がなく、表面上は全ての荷物が確認できたので、ドンキー号ばかりに気がいっていた。サイフの中身までは頭が回っていなかった…。…悲しみの次にすごい劣等感がでてきた…自分の判断力のなさ、痛みと興奮・混乱で状況判断が足りなかった…。そういえば、治療費支払いを一切していない…。さらには全てを疑いはじめ、悪い方向ばかりに考えてしまう…犯人はグラサン兄さんなのか…当事者の二人なのか、現場にいた他のベトナム人なのか…もしかして、事故そのものが計画されていたのか…。バイクを運んで来た時、上着はグラサン兄さんが着ていたな…。疑いが足りなかったのか…。頭の中は勝手な妄想で犯人を作りあげている…。
思えば疑わしい事も多々あるが、現場から離れ、言葉全てを理解できなった私が、好意なのか偽善なのかを判断して、犯人を特定できるはずもない…。
…また傷が痛みだした…。疑心・悲しみで心がいっぱいになってしまった…。
日も暮れて辺りは真っ暗。トラック兄さんが戻ってきてくれた。
サイフに残った銀行のレシートを見せ、お金が盗まれたと説明するが理解できていないようだ…
さすがに、疲れと痛みがドッと出てきて、ジェスチャーをする気力もなくなりトラック兄さんに言われるがままについていく。
兄さんの友達のトラックにドンキー号・荷物を全て乗せ、トラック兄さんにお礼を言いハノイへ向けて出発。
道中は劣等感でいっぱいだ。疑わしき事は沢山あるが、現金を残した俺が一番悪い。事故は必ず起こると想定していた…旅行者のサイフが犯罪を誘発させたのだと考えるようにしながら…トラック兄さんの好意に意識を持っていき感謝の心を忘れないように…。…いつの間にかハノイの市内に入っていた。町外れで荷物を下ろし、トラックで運んでくれた兄さんに何度も”カムオン(ありがとう)”と言い、ドンキー号に荷物をくくりつけ、宿を目指す。すでに10時だ…。
ハノイのバイクだらけの喧騒を呆然とぬけ、調べていたユースに到着。…荷物を降ろし自転車を中に入れようとするが、自転車は夜中になるまで外に置いてくださいと…。何件か宿を調べていたので、他をあたるが全て回答は一緒・・・。これ以上心配事を増やしたくないが、他に選択肢は見つからないので最初の宿にチェクイン。
…体を拭き、今日はもう寝ようと床につく。すでに日付が変わっていた。……まだ興奮しているのかまったく寝れない。…頭の中は、事故当時の状況判断が足りなかったと沢山の可能性を考え出す・・・。いかに冷静になれるかが問題だった…。今日の事故当時には考えつかなかったが、不足の事態にでくわし、体・ドンキー号がなんとか動く状態なら、なにはともあれ自力で現場を抜け出すのがベストなのかもしれない。…今日の場合は自力で近くの町や村まで行き、そこから宿・商店などに荷物を置かせてもらい、病院へ向かうのがベストな判断だったのかも…。
…寝るために頭の中を真っ白にしようと努めながら、長いベトナム初日が終わりました…。

4 件のコメント :

norio さんのコメント...

マジ災難だったね。お金も悔しいけど、まずは体が早くよくなるといいね。それが一番!!カラダが資本さ!!

考えうる中でベストな判断だったと思うよ。多少のロスな仕方がない、と考えるしかないさ。元気ならきっとこのロスを取り返すチャンスがあるはずだしねー。

応援してるぞー。かんばれぇ!!

匿名 さんのコメント...

航くん大丈夫か~い?
災難だったけど大事に至らなくて良かった。
この先の旅に向けてまた一つ経験値が上がったね!
無理しないようにの~んびり構えて、
この先もがんばるのだぞ~ HATSUより

じさまパッカー さんのコメント...

ベトナムは気をつけれよ。油断もすきもあったもんじゃない。
本当に交通事故にだけは気をつけて!大事に至らなくてよかったけど、大丈夫なのかい?無理してるんじゃないだろうね?
こんなこと言いたくないけど、ベトナムじゃ人を見たら泥棒と思うのは悲しいけど、それぐらいの気構えで旅してよ。

それにしてもビックリしたよ。気を付けてゆっくりドンキー号を走らせれよ。

頑張れワタル!落ちもむな!

匿名 さんのコメント...

お久しぶり!
久しぶりにブログを訪れたら何やら大事件に遭遇したみたい
ですね(笑)

一人でいると色々な出来事に耐えるのに、自分自身の精神力を
誰かから試されるような気になりますね。

私もヨーロッパからエジプトに初めて一人旅で行ったときに
カルチャーショックが大きかったです。ジャクリーンと一緒に
行ったブラジルもそうでした。

また一人旅と二人旅でも違いますよね。

しかし、旅は一人で行くと自分の命を自分で守らなければと
いう防衛本能がフル稼働しているようで、ハイな状態がずっと
続いているような不思議な感覚があります。
また初めての国のときはなおさらですよね。そのワクワク感が
たまらなくて旅をしてることもあるのでしょうが。

なにはともあれ、無事で何よりです。
大変だったでしょうけど、
怪我が大事に至らなかっただけでも超ハッピーじゃないですか。

お金を盗られた??
騙されてとられるよりは、よっぽどいいじゃないですか?
たくさんの子供たちがお菓子をたべるために、ちょっとずつ
失敬したと思い、自分がおごってあげたんだと思って
奮発したなーと思ったらいいですよ。

人生も出来事も旅の道中も山あり谷あり
悪いことがあれば、次に絶対に良いことがあるはずだから、
悪いことがあれば、ありがとう!ありがたい!
「絶対明日は良いことあるぞ~!」と思いましょうよ。
2日連続悪いことあれば、神様がキャリーオーバー、2倍の
良いことを次に用意してくれているはず!

久しぶりにブログを覗いてみて、
いまだ自分の思い通りに生きる
挑戦をしているワタルにあらためて
すごいなぁと思いました。

人生は一度きり、しっかり楽しんで思い出を
いっぱい作ってきてください。

ユキオ