2014/08/22 Bolivia, Laguna Chalviri⇒Laguna Blanca(走行距離時間 42k 5:55) “(・∩・) 雄大な自然が語りかける”

      ワタルのチャレンジ!ブチ抜けラグーナルート!!目指すはアンデス麓だぁ!!
風と山と話しながら、嵐の中ラグーナルートを突っ切ります

昨日は沢山食べて温泉に入り、しっかり寝れたんもで、ヘトヘトだった体調はホボ回復。
まだ薄暗い表に出て湖を眺めていると、数分で体が凍りついた。
やはり手持ちの装備で、この山岳地帯・この時期での野宿は厳しすぎる気温だ・・・・。
昨夜炊いた米と頂いたチキンを食べていると、女将は団体さん様に作ったスープを出してくれた。
昨日からタラ腹飯を頂きっぱなしっすわ。
ホッカホカになって、ドンキー号に荷物を積んでいると、何処かから啜り泣く声・・・・。
女将が湖を眺めながら泣いてる・・・・昨日も女将は同じ様に泣いていた。
目の前の温泉では、朝からツアー客がキャッキャ♪戯れてる。
ツアー客が去った宿の前には、チラホラゴミが落ちてる。女将はスクっと、普段の表情に戻ってゴミを広い始めた。
・・・この雄大な自然は国に守られながらも、人間が介入する事によって少しづつ変化しているのかも・・・・。
女将には自然の悲鳴が聞こえてきてるのかな・・・それともただの情緒不安定か・・・・。
ラグーナルートは高地で木々もなく、自然の恵といえば温泉と綺麗な景色くらいのもの。
数件ある宿では、ツアー客とドライバーとの交流しかないでしょな・・・。
何もない厳しい土地。この宿が無ければ自転車での走行なんて不可能だ。
女将に深くお礼と「どうぞお元気で」っと伝え、ラグーナルート最終日スタート。
標高4400m・気温3度・快晴っす。
今日はチリ国境手前の湖まで40km程・標高4700mの峠を越えれば宿がある。
野宿も考えながら走り始めるが、夜のヒドイ冷え込みでまた体調を崩すだけだ・・・・真っ直ぐ宿へ向かおう。
やさしい追い風に乗りながら、ガタガタ道を南へ。
上りに差し掛かり、峠の山の裾へと道が上り出すと、“ブぅわぁああああああ!”っと、一気に冷たい強風が峠から吹きこんできた。
 急な冷たい向かい風で、体温と気力まで少しづつ奪っていく・・・・。
せっかく回復した体調がまた減っていき「・・・なんでぇ・・・」「寒いぃぃ・・・」っと、弱い心が顔と頭に出てくる・・・。
何時も過酷な環境に入ると出てくる“弱い心”。
戦うのは厳しい環境・過酷な現状ではなく、マズは自分の“弱い心”を打ち消す事から始める。
フッ・・・・・っと深呼吸を繰り返し、弱い気持ちで乱れる心を落ち着かせ、「風が強いだけで、ユックリならマダ走れる・・・」「冷たい風も思っている程ヒドくないだろ・・・変な声だすな・・・余計に酷くなる・・・」っと、弱い心を抑えながら自分の現状を冷静に見つめ直す。
上れば上る程に風は強くなり、砂利まで飛んでくる嵐になってきた・・・・。
顔に打ち付ける砂利に耐えながらも、意識を内に集中しながら、強風が吹きこんでくる峠の向こうの白峰を一点に見つめながら、「何時も何時も何故酷な環境に挑むのか・・・・」っと、白峰に自分に問いかける・・・・。
過酷な環境にある道には、絶景が待ち受けてる。
そして偉大で沢山顔を持つ自然に、自分の弱さ・小ささを痛感させられる。
1人で雄大な自然に挑んでるようだが、人に助けれずに乗り越えた道は今までない。
このラグーナルートでも、昨日の宿が無かったらどうなっていたか・・・・。
道があれば、どんな環境でも大抵人がいる。その厳しい環境に住む人々の優しさに何時も助けられてる。
そして、気力と体力を回復させながらも、偉大な自然は「お前は甘い」っと、自分の弱さを剥き出しにさせてくる。
普段表に感情に現れない、自分の弱さ・傲慢・過信を次から次へと内から湧き出てくる。
それを雄大な自然から教わりに来てるのかもしれない・・・・。
過酷な自然の環境にボロボロに打ちのめされながらも、雄大な自然に挑める環境・何かを教えてくれる美しく厳しい自然に感謝の気持ちで心がイッパイになってきた。
嵐の轟音しか聞こえてこない。でも音を除けば、晴天で穏やかな空。何もない広大な景色。
感謝の気持ちで心が満たされると、自然と涙がボロボロ出てきた。
アホのように「あじがどおおおおお!!!!!」っと、雄叫びを上げていると、必死にコイでるにも関わらず下りに入っているのか、目の前の視界が開けてきた。
自然からだけでなく、お惣菜屋で働いた時にも自分の弱さを教わった。
どうしようもなく過信で人に頼る事が出来ず、人々に多大な迷惑を掛けて自分の弱さを教わった。
人から自然からも、多くの事を学べる地球に生まれた事・弱い自分は人に助けられ人に生かされてる事を思うと心が幸せで満ち溢れてきた。
激しい嵐も自分を思い考えてくれる友人のように思えてきた。
下りに入って更に強く吹き込む嵐は、ドンドン体力を消耗させ・体を冷え込ませ、全ての念が消え、頭はいつの間にか真っ白になっていた。
乱れ出す心を抑えるのと、真っ直ぐ走るバランスを保つのに意識を集中しながら、無心で前進。
ラグーナルート最後の湖が遠くに現れ、湖の反対側に小さな建物が見えてきた。
嵐の中で止まる事も出来ないので、鼻水ダラダラに垂らしながら、1コギ1コギ建物へ近づいていく。
建物は目的の宿だった。逃げるように宿へ潜り込むと、体はクッタクタに疲れきっている。
 厚着をしてベッドに潜り込み冷えた体を温めてるが、鼻水とクシャミが止まらない・・・・今度は鼻の粘膜がおかしくなってしまったわ・・・。
明日は国境を越えて、標高2500mのチリの町へと大落下します
これで寒く厳しかったラグーナルートとボリビアは終了。
宿の中でも嵐の轟音は響き渡るが、満ち足りた心と明日に備えて消灯っす。

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