2012/05/17 中国甘粛省・団結-阿克塞  “ラインを超えて。・・・(-_-)”


ラインを超えに出発・・・・。

・・朝6時半、昨夜からの強風は“そよそよ”西風になっていた・・・。
風は、特に高原・荒野のド真ん中には吹きこみやすいんだろう。心配していたテントは大丈夫。“アライテント”使用です。
ここから100キロ走れば、間違いなく中位の町“阿克塞”に着く。ここは標高2800m。標高3700mの山越えがある・・・。
いつもならキツイだけの距離・標高差なのだが、昨日の朝からまともに食べてない。そして、体内の水分は今の時点で足りてない・・・・。
昨夜夕飯と朝飯を合わせて、カロリーメイト2袋とジュース1本・・・・・・・残りジュース1本とボトル水が少々・・・・。
動きが鈍いがテントを片付け、7時半に出発。北に見える山はまだ遠いがすでに軽い上り道のようだ・・・。


冷え込む朝。体力を極力使わないように、息が切れない程度に・汗を搔かない程度に進まなきゃ・・・・。力を抜いて・・・・。
1時間経過・・・・。まだ麓まで遠い・・・。
足の力だけで前進するように努めるが“ひゅるひゅる”風は朝から容赦ない・・・。まだ横風なだけまし・・・まし・・・。
10分しか経っていないのに、息がハアーハアー・・・。食料もそうだが、水分不足がかなり効いているのかな・・・。

1時間経過・・・・まだ北の山は遠い・・・。休憩して、少しジュースを飲んで・・・。出発・・・。
目では気がつかない程少しづつ傾斜がキツクなっているのが、ペダルの重さでわかる・・・・。
ギアを軽くして・・・。
「・・・・・・またペダルが重くなった・・・。」
・・・もう一段軽くして・・・・。
“ひゅるひゅる”風は弱まり、“そよそよ”風になってきたが・・・北西からの風に変わった・・・。もう“そよそよ”風も体に応える・・・・。まだ本格的な上りじゃないのに、一番軽いギアになった・・・・。

「フゥ~フゥ~・・・・はは・・・・“風くん”よ・・・何度も言うが、わたしゃ止まらんよ・・・・。君がどんなに邪魔してもこの山を越えるの・・・・もう、そう決めてんだよ・・・。」

2時間経過・・・。すでに体力は限界・・・。
もう少し・・・もう少し・・・・。2時間経過。まだ、山の手前・・・・。頭で考えると、すでに“限界ライン”を越えている。“中国カロリーメイト”を食べ、ジュースを少し・・・・。残り半本のオレンジジュース・・・。標高3200m。余計な事は考えず、休んだら出発・・・。

・・・一番軽いギアだが、もう力を入れなきゃ進めない・・・見た目は、大した傾斜じゃないのに・・・・10分と続けて走れない・・・。

「ハァハァハァハァ・・・・・・・。」

・・・上れない・・・・止まってしまった・・・・。
1分息を整えて、ペダルを踏みだして・・・目の前の岩を目標に・・・数分走って・・・岩の少し先で止まって・・・息を整えて・・・・次は目の前の道路標識を目標に進んで・・・。

「まだ行ける・・・・もうちょい・・・・もうちょい・・・・・。」

3時間経過・・・。あのカーブまで行けるかな・・。
完璧にグロッキーな状態・・・・。3時間経過・・・・。標高3400m。・・・岩に寄りかかり休憩。ジュースを少し・・・気を抜くとそのまま寝てしまいそうだ・・・。ジュース残り3分の1・・・。

「・・・もう少しで天辺・・・。もうちょい・・・・もうちょい・・・。」

次のカーブまで進んで・・・・カーブを少し越えて・・・止まって息を整えて・・・。繰り返し・・・。“そよそよ”風に意識がいかない程にペダルへ集中・・・・。少し前の白線を見つめながら前進・・・・・。
頭は真っ白・・・・。
止まり、前を見るとまだ上り・・・

「・・・次はあれが目標だ・・・・。まだ休憩には早いぞ・・・もうちょい・・・・もうちょい・・・」

昨日は私の下調べ不足と勘違いが原因・・・。自分で選んだ道なのだし・・・・。辛いのは当たり前なので弱音を吐いてもしょうがない・・・・。まだまだ生死の境ではない・・・・。ガンバレば行けるはず・・・。

4時間経過・・・。・・・・・・・・・・。
11時半・・・・標高3600m手前。
車から「ジャーユー!!(がんばれ!)」の声援を頂きましたが、手を上げるしか出来ない・・・・。前を見ると・・・

「・・・??・・・・天辺??・・・・・・・・・・てっぺんなの??・・・・おおおおおお天辺だぁぁぁあ・・・・・。着いたよォ~・・・。」

標高3600mが天辺でした。・・・・なんとか上れた・・・。よかった・・・・。
“ほっ・・・・”と、腰を降ろし休憩すると・・・・頭真っ白で、15分止まってしまった・・・。

「ハァッ!! !Σ( ̄□ ̄;・・・・まだ、” 阿克塞“まで50キロあるんだ・・・上りがあるかもしれないし、ジュース少し残しておこう・・・。」

ラインを超えたぁぁぁ・・・・。
山の天辺を越えた安心感で少し元気を取り戻した!出発!落ちます!!

ざざざざぁ―――っと下ります!!ペダルこぐ必要なし!!標高2200mまで一気に下ってきた!
40分でトラック野朗のオアシスを発見!!(*TT*)/ワーイめしめしめしめしめし飯ぃぃぃぃい!

「これチョーダイ!!もりもりの大盛りでたのんます!!」

腹の減り具合が伝わったのか、大皿で“炒め麺”登場!うほうほ♪いっただっきまぁ~っす!!
腹もいっぱいなった・・・。あと20キロ下って“阿克塞”に着くから、そこまでとりあえず行くかな。
ラインを越えた事も、お腹いっぱいですっかり忘れてます。単純ゥ~♪

まだまだ、ざざざざざぁ~~っと下ります!!標高1600mまで下がりました!!標高差2000mもあるわ!
40分で“阿克塞”に到着。「・・・まだ食える・・・・食堂に直行じゃ~♪」
町に人が少ない・・・。午後3時。

「あっついなぁ( ̄ω ̄;)・・・・・。30度近くあるでしょこりゃ・・・・。これじゃ外に出ないよね・・・。」

ご飯をモリモリ食べすぎて、はて・・・どうしようかな・・・・・。

「ご飯食べたらかなり元気になっちゃった(°m°;) アレマッ!・・・。“敦煌”まで80キロって書いてあったな・・・・。さすがに“敦煌”は明日でしょ♪今日はもう少し先で野宿だ!」

野宿セットをしっかり購入して、も少し前進!・・・・“阿克塞”を抜けると・・・

砂山キタァァァァァァァ!!
「ぐわわわ!! Σ(◎口◎;)砂山じゃぁぁぁ!!ついに砂漠突入じゃーー!!いかぁーん〝ワァ~タルマン!〟に変身じゃー!!( ̄◇ ̄) アイアイサ-!!

手ぬぐいを巻いても息が苦しくない・・・。標高が下がった証拠ですな!
まだ軽い下りが続いてる。砂山に見取れていると、でっかい荒野にかわった。

「ぬぬぬ!!少し先に進むつもりだったが・・・。何もない!! (_´Д‘) あぃ~ん風“ビュー!ビュー!”。うし!前進あるのみ!」

ご飯と休憩でかなり回復した様子・・・・。たまに“ゴォー!”っと吹いても・・・・
「グゥおおおおお!!余裕じゃぁぁぁぁあい!! (` 曲 ´)」っと叫んで、風にお返し。

1時間走ると、野宿が出来そうな高架下を発見。風も吹き込みにくいので、今日はここにします。

「いやぁ~・・・・あっついなぁ( ̄◇ ̄;) ・・・・。冷たいコーラ飲みたいなぁ・・・・。もう砂漠なんだなァ・・・。」

さっきまでの辛さを忘れたのか、もう砂漠の心配をしてる・・・。
まあ、いい所であり悪い所でもありますな・・・。反省はしっかりしましょうー。
明日は確実に目的地“敦煌”に着きます!“敦煌”で長い砂漠に備えて休養・メンテナンスじゃ~い!

1 件のコメント :

じさまパッカー さんのコメント...

よ・よ・よ・よかったぁ~…。
あんまり心配させないでよ。まだまだ生死の境じゃねぇ…とか、もう進めねぇとか心配しながら読ませてもらった。
でも、克服おめでとう!
そしてついに敦煌か。いいな。羨ましい。こんな困難を克服したご褒美だね。
これからも砂漠の道路を進まなければならないので、またこんな困難が待ち受けているかもしれないし、頑張ってくれよ。