2012/05/26  中国新疆ウイグル自治区・ハミ・西60キロー七克台  “風の中へ(;>o<)・・・”


涼しい朝・・・今日は
涼しく風の弱い午前中に距離を稼ぐため6時前に起床。すでに太陽は顔をだしている。太陽が沈むのは9時過ぎなのだが、砂漠の太陽は早起きですな。

今日は砂漠の真ん中からスタートして砂漠の真ん中で終わる予定。昨日頂いた情報では、40~180キロの間に、食堂があるはず・・・。無いと干からびます。


気合を入れて、7時に出発!標高1100m。空には薄い雲が張っているので涼しいです。気温25度。風は“そよそよ”。好条件!太陽が昇りきるまでに、この軽ぅ~い上り道の天辺に行きたい所だが、天辺の標高がわからない。行くしかない!!エッホエッホ進みます!

”ウルムチ”まで475キロぉぉお!
「涼しいな!走りやすい!!( ̄∇ ̄)・・・おろ??・・・食堂発見・・・。」

走っていると1時間事に食堂が1~2件はある。・・・この分なら、ご飯の心配はなさそうだな・・・。
12時前に、70キロ走り標高1700mまで到達。さらに立派なパーキングエリアに着いた。

「・・・そっか、皆さんはここの事言っていたのだな。(-ω- )o< フムフムまずはお昼お昼♪」

お昼を食べながら情報収集。・・・たぶん食堂はあるだろうが念のため・・・。しかし、またまた皆さん言う事がバラバラっす(Q)ノ?。・・・今日は後100キロ位は走りたいが・・・。

食堂を出ると、“ウルムチ”からやってきた“オジちゃんサイクラー軍団”がいる!こいつは頼りになりそうな情報を持っているでしょう。この先の道を聞いてみると・・・・

( ̄0 ̄)この先20キロは下り。その後40キロは$%^%&*だよ!」

・・・飯はあるのかな??・・・・100キロ位に何かないか聞いてみると・・・

少し景色が変わったァ♪
( ̄0 ̄)ああ、高速の料金所が100キロだよ。食堂もあるぞ。」

おお!なんて調度いい感じなんでしょう。お礼を言って1時前に出発!下りが多そうだし、余裕で着きそうな予感♪

さっそくザザザァァァー!!っと下り!景色が少し変わった・・・岩山だらけの大きな盆地。アメリカってこんな感じなのかなぁ~、などと久しぶりの景色を堪能(゜ロ゜)

・・・ぬぬ!ついに風が出だした!しかもいきなり“ビュー!ゴォー!”風!さらに太陽まで登場!

「ぐお!!Σ( ̄口 ̄;;横や前から引っ切り無しに吹いてくるうぅう!!」

ザザザァァー!の下りは1時間もしないで終了・・・。風はさらに強くなり“ゴォー!ゴォォォォオオ!!”になってきた。

「・・・ぐっ!ぐぅ( ̄曲 ̄;)・・かなりの強風・・・これが有名な“砂漠の風”なのかァ・・・ごお!(хх。)前みてられん!!・・・。」

軽ぅ~い上りになると、時速10キロ前後・・・。ペダルを止めれば、ドンキー号もピタッ!っと止まる・・・。さらに南風が急に北風になったり、“ゴゴオオオオオオオオ!!”っと最上級な風ばかり。

「ハァ・・ハァ~Д~;・・・ぐぅぐぅぐ(×_×;)・・・こんなに強いとは・・・。キツイ・・・。」

ぐごごおごごお!!出たな豪風大魔王!!
午前中で体力を消耗している上、豪風がドンドン体力を奪っていく・・・。
早くも体がヒィ~ヒィ~言い出した・・・。

マズイ・・・ネガティブな事しか思い浮かばない・・・。こういう時は頭を真っ白にして、ペダルに集中するのが吉だが・・・この“豪風+軽ぅ~い上り道”は、そう簡単に“無の世界”に入れない。

突然のアオリ風に「わあァァ!!(>o<)」。

向かい風が“ゴゴオオオ!!バババッバァァァ!!”っと吹けば「止まっちゃうぅぅぅ( ̄曲 ̄;)・・・・」。
“豪風”に振り回される・・・。さらに、太陽が36度まで気温を上げている・・・。感じない暑さだが、パンツは塩で真っ白・・。

いつまでも続く“軽ぅ~い上り道”・・・。お昼まではコンスタントにあった売店もまったくなくなった・・・岩山強風盆地に入った様子・・・。
日陰も風を遮る場所もまったくない・・・。休憩は道路の脇で、豪風と太陽を受けながらしかない・・・・。水もドンドン減っていく。

何もない、豪風の中の砂利砂漠
「・・・この分じゃ、飲み水が足りないよぉ(_|||)・・・。きっと、これを上れば長い下り道になるはず・・・行くしかないな(-_-;)・・・。」

一軒の売店を発見!おおお(´Д`) ハゥー・・・。水を購入して、屋内で一休みさせてもらうと寝てしまいそう・・・・。
・・・あと50キロで料金所。食堂があるはず・・・・午後4時・・・。売店のお兄さんにこの先を聞いてみると、あと少し上れば下りになるみたいだ・・・ガンバルしかないな。
気合を入れなおして、高速道路に戻ると、豪風はさらに強くなっている。

「“ゴオオオ!!バババババァ!!”・・・・・(=◇=;)コグしかない・・・・。アトちょっとぉ(=△=;)・・・・。」

体が、バラバラになっちゃいそうなくらい疲れてる・・・。パワーでペダルを踏む力はもう残ってない・・・。天辺についたら、風はさらにさらに強くなった・・・。

「・・・・( ■ ;)下りなの???・・・・ペダル踏まなきゃ止まりそう・・・。(×_×#
もう、げんかぃ・・・・イヤイヤ(`⌒´)・・・・まだイケル(+_+)・・・行かなくちゃ・・・。」

豪風の上、水分も少ない状態ではテントは張れない・・・。地平線まで延びる下りを、体に鞭を打って下るしかない・・・。地平線には軽ぅ~い上り道が見える・・・。

豪風の中の地平線・・・コグしかない・・・。
「ハア・・ハア・・・ハア・・・ハァ・・・・~Д~;後30キロ・・・。もうちょい・・・-_-;もうちょいぃ・・・。」

なんだか。気を抜くと頭がオカシクなりそう・・・。怒ってんだか、悲しいのか、何なのか、自分でも解らなくなってる・・・。なんとか“無の世界”に入ってコグ・・・10分と走れない・・・少しだけ前を見ながら前へ前へ・・・地平線の上り道を上りきると・・・

「・・・・( ̄□ ̄|||)また地平線しかみえない・・・。後20キロ・・・。・・・・(_)

風は一向に止まない・・・“ゴォゴォォォオオ!”・・・・。もう既に、走行8時間。距離160キロ・・・。体はバラバラになりそう・・・。こぐしかない・・・・。
次の地平線まで・・・・。あれを越えれば何か見えるはず・・・。6時半だァ・・・・。

も・・・もうちょっとォ・・・・。

道路の白線を見続け・・・、前をふとみても地平線はまだ遠い・・・。コイで・・・コイで・・・次の地平線のに到達し、先を眺めると・・・
第二地平線・・・・もう体ボロボロぉ・・・。

「・・・・何も見えないよ(xLx)・・・・。100キロ走ったけど・・・。この先に行くしかないのかぁ(T△T) そんなぁ…・・・あと少しコイでみよう・・・。」

コグしか選択肢がない・・・。コギながら、野宿も考えるが・・・水分がどうしても足りない・・・。朝まで凌げそうだが、明日の朝どうなっているのかが怖い・・・・。

なんとか・・・何かないか・・・

さらに10キロ走り、もう7時半・・・だめだ(×_×;)・・・・もうこげないよ( iдi )・・・。

!!トラックの給水車がいる・・・・。

他には何も頼るものがないので、おいちゃんに「・・・・水売ってない?・・・・」っと尋ねるが、「メイヨー(ないよ。)」の答え・・・。

(~∇、~;)しょ・・・食堂までは、後何キロですかァ・・・」

「んん~~(- )・・・・30キロ位かなぁ・・・。」

!!(_△_;)・・・・無理です・・・もう無理です・・・。限界です・・・。

近くに何かないか、商店はないか聞いてみると・・・

「おお!( ̄0 ̄)商店ならこの外れた道の先に・・・ほれ!見えるだろ!」

・・・何も見えないがそこしかない・・・。真っ直ぐと言われたので、真っ直ぐ走ると、直ぐに商店を発見

「・・・・あああああああ・・・あったぁぁぁ(TT)・・・よかったぁぁぁ・・・・・水ぅ・・・下さいぃTωT)ブヒー・・・。」

外で作業しているおいちゃんに、軽く旅の経過を説明すると「ま!中に入って休憩しんしゃい!“ヘ( ̄ー ̄ )」っと・・・。何もする力がないので、休憩・・・。お茶をだしてくれました・・・・。

・・・・お茶もしっかり飲めない・・・・体が変だ・・・・。もう8時だし、早く休まなきゃ・・・。

おいちゃんに、「暗くなる前に野宿場所探さなきゃいけないから、もう行くね・・・どうもありがとう。」っと、告げると・・・

「今日はここに泊まりなさい。大丈夫!安全だ!( ̄へ ̄)

よく見ると、宿も兼業しているようだ・・・・。しかし、お金を節約したいので・・・っと、伝えると・・・

「俺もあっちこっち旅行したからなァ。( ^_^ )君の状況は理解しているよ!お金はいらないよ!」

・・・いや・・・そういう訳には・・・。でも、強風の中、10時間もコギ続けた体に動く力はどこにも無いです・・・・。お言葉に甘えて今日は屋内で寝よう・・・。・・・もうダメだ・・・・。

(^▽^)夕飯までもうちょっとだからね。」と、奥さん。お話したい所だが、体を横にしないと冷や汗がでる・・・・外にあるベッドに倒れこむ(_△_;)・・・・。

風はさらに強くなって台風のようになっている・・・・。

「あああああ・・・・もうダメぇ・・・(×_×;)。でも、ホント助かったなァ・・・この風じゃテントも立てられないし・・・ありがとう・・・。」

夕飯を頂くが、冷や汗がでるので少しだけ頂いた・・・。うまそうな炒め物なのに・・・、腹減ってるのに・・・。
個室まで提供していただきました。
ハァーハァー言いながらご飯を食べていると、お客さん??らしき人が、急にサイフから100元を取り出し、私に渡してきた。
「・・??・・・いやいやいや!!もらえないっす!!シェー 「( ̄□ ̄;)」しかも100元も!!私お金はあるんです!ほら!ただ節約したいからテントなんですよ!・・・・気持ちだけで、じゅーーっぶんです!!シェイシェイ!シェ-シェー!」

結局、押し問答に負け・・・・100元まで頂いてしまった・・・。明日ここで食料を買おう・・・。ホントすんません・・・。

このご家族は“南京市”から移住してきたようです。・・・・お話したいのですが、体が・・・。外は豪ごう豪風になってる。そのままお借りした部屋へ倒れこみます・・・。

なんて1日だ・・・でも最後にまたまた“人”に救われたァ・・・・。ありがとうございます・・・。

1 件のコメント :

じさまパッカー さんのコメント...

いやぁ、何度も言うけど本当に砂漠の旅は辛いようだね。暑さもそうだけど、風かぁ。遮るものもないので直接吹くんだね。
強風、豪風…豪風…んっって気がついたのだけど、秋田県出身の現役幕内力士の「豪風」(たけかぜ)って言うのがいるんだぜ。(笑)あっゴメン、関係ないか。
ブログを読んでいると、かなり辛い様子がわかるよ。店を見つけた時のゆっくりした気持ち、嬉しかった情景がわかる。良かった…。
それにしてもこの風って厄介だね。でも、負けるな。
頑張れワタル!